美術

2008年9月25日 (木)

もうお彼岸が過ぎてるじゃないか

ああ、またブランクが…(汗)

ご報告が遅くなりましたが、まるま一家は無事長野から帰阪しております。
前回の記事を上げてまもなく、天候不順のため山から下りることが決まりました。いつものように二、三日東京で遊んで帰ることができるかと思いきや、ネロ子のスケジュールの関係でそういうわけにはいかなくなってしまい、とんぼ返りで大阪へ帰ってきてしまいました。食いしん坊友の会のみなさまには何の連絡も差し上げずに本当に申し訳ない~ワタクシも美味しいもの食べたかったんだがな(涙)。年末には必ずはせ参じますので、また遊んでくださいまし。

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先週9月21日の「新日曜美術館」はジョゼフ・コーネルの特集でした。ジョゼフ、なんですね。ワタクシはずぅっと「ジョセフ」だと思ってました。あんなに好きな人なのに(汗)。まぁまぁ。

20世紀美術の異端 不思議な箱のコーネル

ビデオゲストは稲葉賀恵さん・高橋睦郎さん・勝本みつるさん・柄澤齊さん・宇野邦一さん。高橋睦郎さんだけはスタジオにも登場されて、以前コーネルの展覧会のためにお作りになった詩『この世あるいは箱の人―ジョセフ・コーネルを讃えて』を朗読されました。
稲葉さん・高橋さん・勝本さん出演のパートはアトリエやご自宅での撮影だったのですが、その室内装飾、居住空間がまるでコーネルの作品のようで本当にびっくりしました(笑)。ワタクシもこんな部屋に住んでみたいと思う。儚い夢のようなお部屋。「箱の中身を外界と隔てるガラスの存在こそコーネルそのもの」とおっしゃる柄澤齊さんのコーネル観にも心が揺さぶられました(柄澤さんのサイトでコーネルの肖像版画が見られます)。
「新日曜美術館」で取り上げられるということは、もしかしたら近く展覧会でもあるのかなとひそかに期待してたりしてたのですけど、特にそういう予定はないみたいです(常設展示の紹介だけありました)。早くどこかでコーネル展、開催しないかなぁ。

そういえば、こないだこんなものを買ってしまったのですが。

Josephcornellbox

The Joseph Cornell Box: Found Objects, Magical Worlds

自分でコーネルの箱を作ろう!というセルフキット。
なんか間違ってるような気がしなくもないですが(笑)これはこれで、結構楽しめるかと。
付属の冊子もよくできています。

●コメント欄を機能させています。
本宅の掲示板があんまりな状態なもので(笑)こちらでもコメントが書き込めるようにしてみました。しばらくは様子見ですが、特にトラブルがなければこのまま続けていこうかと思っています。みなさま、なにかありましたら一言どうぞ。

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2007年6月22日 (金)

ニコラス・デューラー

世界中のフォトショ職人が集うWorth1000.comで拾った1枚。

Cage

デューラーになったニコラス・ケイジ。
すごいな~全然違和感がないよ(爆)。

ちなみに元ネタはこれ。

Durer

北方ルネッサンスの画家、アルブレヒト・デューラーが28歳の時に描いた自画像で「1500年の自画像」と呼ばれます。ミュンヘンのアルテ・ピナコテーク所蔵。

デューラーの自画像には「22歳の自画像」という作品もあって(西洋絵画史上初めて描かれた自画像ということです)これもワタクシは大好きな絵なんですよ。

Durer13

若い頃、イタリアで絵の修行をしていたデューラーが故郷の婚約者に贈った1枚。
「1500年」でもわかることですが、この人はそうとうハンサムです。そして大変なお洒落。綺麗な服を着た美青年はまるで女の子のように見えますね。
よく見るとその手には草花が1本。これはアザミの花です。アザミは貞操を表す象徴で、遠くイタリアにいても「浮気しないからさ♪」という精一杯のメッセージを込めたかったんでしょう~ひゃひゃ(笑)。

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2007年5月25日 (金)

絵を見て星を見る

Icarus_3    

大阪市立美術館で開催中の「ギメ東洋美術館所蔵浮世絵名品展」に行ってきました今週で会期も終わりということもあってか、会場は大混雑のぎゅうぎゅう詰め(笑)。連日NHKで『北斎の「龍虎」発見』というスポットが流されたからでしょうか、大人気の展示になっているようです。でもなぁ、どうにも浮世絵を鑑賞するという雰囲気ではないよね。満員電車波の混雑だもの(笑)。
絵を間近で見るためにはまず入り口から並ばなくてはなりません。そして絵の前まで到達するのにはてしない時間がかかるのです。そんな悠長に待っていられないワタクシは観客の頭越しに遠巻きに眺めて鑑賞。本当は近くに寄って肉筆の筆致や摺りの風合いなんかも見たかったんですよ、でもそんなの無理無理。
北斎の「龍虎図」は当然のことながら二幅並べて展示してありました。この掛け軸が双幅であると初めて気づかれた方は大変な感動を受けたことでしょうね。最初はやけに表装の柄が似ている軸だなと思われたのだそうですよ。不思議に思って並べてみたら、龍と虎の視線が見事に合致したのだそう。そんな現場に居合わせたら、ワタクシ震えがきちゃうねきっと。
北斎も歌麿も写楽もそれぞれ素晴らしいですが、個人的には鳥居清長の作品が見られて嬉しかったのでした。長身大柄でふっくらした顔が特徴、歌麿のほっそりした美人に比べるとぐっと健康的な女性を描いた絵師で大好きな人です→現在、千葉市美術館にて展覧会開催中

浮世絵は鑑賞したけれど、もうちょっと絵を見たいなという気分(混雑にげんなりしたというかw)。中之島まで戻って「ベルギー王立美術館展」を見ることにしました。
この展覧会で一番楽しみなのはピーテル・ブリューゲル(父)の「イカロスの墜落」です。大好きな絵で初めて見ます。ギリシャ神話に登場するイカロスの墜落の場面を描いた絵ですが、主役のイカロスは海から突き出した足しか見えず、むしろ外野であるはずの羊飼いや農夫、釣り人たちを大きく描いている面白い作品です。
父親の言いつけを守らず太陽に近づいたイカロスと仕事に従事する農夫たちの対比から、この絵には「宇宙の法則に逆らわず、与えられた場所で自らに課せられた仕事を果たせよ」という意味が込められているといわれていますが、ワタクシには「身近な場所で大きな事件が起こっているのに誰も気づかない、気づこうとしない他者への無関心さ」を強く感じさせる1枚でもあります。今を生きる私の身の回りにあることを連想させる、400年前の絵が急に近しい存在になる瞬間です。
このブリューゲル親子やアニメ「フランダースの犬」にも登場したルーベンスに(ベルギーのお話ですからw)ヴァン・ダイク、クノップフやマグリッドなどベルギー美術の歴史を一覧できる、大変見ごたえのある展覧会でした。一度でいいからベルギー本国の美術館内にあるブリューゲル・ギャラリーに出かけてみたいものです。

さて、会場となったこの国立国際美術館(なんとジョセフ・コーネルも収蔵されているのだ)の隣には大阪市立科学館があります。様々な科学実験を体験できるとても面白い場所ですが、なんといってもこの科学館の地下に併設されている最新型のプラネタリウムが圧巻です。子供の頃に見たクラシカルなプラネタリウムもロマンチックで素敵ですが、完全コンピューター制御されたグラフィックで構成された天球図の迫力はとにかく感動の一言。地上から空を見上げて星座を見る視点だけでなく、たとえば惑星や銀河の向こう側から見た宇宙はどんな風に見えるか、いろんな視点から星を観察できるようなプログラムが上映されていて、ちょっとした宇宙旅行気分が味わえますよ。
今日も3時からの上映に間にあったので、1時間の宇宙旅行を楽しんでまいりました。大阪で「こぼれるような星空」が見られるところはここだけだものね(笑)。素晴らしい絵を見てきれいな星空を見て、なんて贅沢な1日なんだろう。

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2006年10月 2日 (月)

スペインの誇り 巨匠たちの殿堂

Venus

先週の木曜日、大阪市立美術館で「プラド美術館展」を見てきました。先に東京でご覧になったふるんさんからお話を伺ってぜひとも見たいと思っていた展覧会です。

会場は平日の早い時間にもかかわらず結構な人出で、やはり人気の展示なのだなぁと思いました。ルネサンスのティツィアーノから19世紀のゴヤまで、52作家の油彩・全81点が来日、スペイン国外で見られるプラドのコレクションとしてはかなりの点数はないでしょうか。
スペイン絵画よかった~やっぱりフランス風になる前が私は好きだ。リバルタとリベーラの絵に心動かされたり、本物のベラスケスにちょっと感動したりしたワタクシ→フェリペ4世の妹の絵見てきましたよふるんさん、言いたいことはわかるわ(爆)。一番のお目当てだったティツィアーノの「ヴィーナスとオルガン奏者」もゆっくり見られたしね(みなさん恥ずかしいのか、足早に立ち去られて絵の前はなぜかガラガラw)。背景に描きこまれた鹿と孔雀と噴水と親密な男女、官能的な寓意に満ちていてドキドキしますな(笑)。風景画のボデゴンにもあんな精神性や哲学が込められていたとは!ゴヤは子供の絵もかわいいけど「魔女の飛翔」みたいな作品が見てて面白いな~堪能しましたっつ!これでプラドの至宝「ラス・メニーナス」と「ゲルニカ」「快楽の園」が来てくれたらいうことなしなのに(それは無謀)。

ミュージアムショップでは画集や絵葉書などといっしょにポルボロというスペインの郷土菓子(ムリーリョの絵柄缶入り)やメレンデスの「ボデゴン:プラム、イチジク、パン、小樽、水差しなど」に描かれたパンを再現して売っています。パンってあーた(笑)。
私は絵葉書(なぜか「快楽の園」の絵葉書があったりして←買ったけどw)とポルボロを求めました~美味しかった♪ポルボロは家庭では作れないのかなぁ、うちで作っておやつにしたいよ。

帰りに寄った近鉄百貨店の催事で清里ハム発見。
ここのサラミとベーコンは美味です。みなさまも見つけた時はぜひ!

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2006年7月16日 (日)

そうだ、京都、いこう

Fujita

京都近代美術館にて藤田嗣治展を見てきました。
今年は藤田嗣治生誕120周年にあたるそうで、今回の展示はそれを記念するにふさわしい大回顧展になるそうです。フランスでもっとも有名な日本人画家・フジタの代表作、約100点が集められています。
先に公開された東京近美での評判がよくて京都に来たらぜひ見にいきたいと思っていたのです。幼稚園で延長保育をお願いして(助かりますw)久しぶりの京都へ。

京都暑い!そして平日だというのに河原町は異常な混み様です。一体なにが?と思ったら週末は祇園祭の宵山なんですね。バス乗り場でも旅行客と思われる集団に出くわし…ちょっといやな予感が(笑)。ぎゅうぎゅう詰めのバスに揺られて着いた美術館前で殆どの客が降りました。そして案の定殆どの人が美術館に(爆)。
入り口すぐのミュージアムショップは黒山の人だかりですよ。この調子だと会場も混んでるだろうなぁと思ったら(略)。たしかに藤田は人気あるだろうなとは覚悟してましたけどね、でもまさか満員電車並みに混んでるとまでは思わなかったんですよ(涙)。

入り口すぐの正面に「ライオンのいる構図」がありました。一番見たかった絵なので人をかき分けながら一番前に出ました。完全修復されたとはいえ画面のひび割れは顕著で、これはもう少しなんとかならないのでしょうか。それでもフレスコのような滑らかな感触で描かれた幸福そうな男女やライオンは美しくて、絵を痛めないための暗さは仕方がないことですが、できればもう少し明るい、自然光の下で見てみたかったなと思わずにいられません。
「ライオンのいる構図」には対になる作品がもう1枚あるのです。修復が進んで次の回顧展には見ることが出来ますように。

今回の展示では南米時代やフランスに帰化した後に描かれた、強い色彩の作品が多く見られました。エソンヌのアトリエにやってくる子供たちを描いたものもたくさんありました。ミュージアムショップで売っている絵ハガキはエコール時代のものと「子供シリーズ」の作品が多かったですね。子供の絵とか動物の出てくるものをたくさん買ったかな。個人的にはエコールの作品が好きなのですが、絵ハガキサイズで見るとなんか違う絵に見えるんですよ(笑)。オリジナルはあんなにいいのになぁ。

藤田の展示を見た後、4F常設のギャラリーをサーキット。長谷川潔の作品にまた会いにきました。陶磁器のような藤田の質感と長谷川のビロードの感触が同時に味わえるなんて贅沢だな。ここのデュシャンを見ながら「藤田はあのミルキーな画面を作るのに漆喰を塗ったらしいが、そういえばデュシャンはラブレターのインクに○○(殿方のセクシャルな分泌液)を混ぜたんだった…」なんてことを思い出したり(爆)。暑くて脳みそ茹ってるかもしれません。

絵を堪能した後はどうしようかな?と思案。お茶でもしようかと思ったのですが(平安神宮近くの「La Voiture(ラ・ヴァチュール)」のタルトタタン美味しいです)ちょうどいいところにバスがやってきまして一乗寺まで足を伸ばすことにしました。
一乗寺といえば恵文社です。日本の本屋さんで3本の指に入る好きなお店。この7月に生活雑貨を扱う別館(というか続きの一間ですけどw)をオープンされたとのことで、近いうちに一度遊びにいきたかったのです。
一乗寺下り松町からてくてく歩いて、叡電の線路を超えるとすぐお店が見えてきます。お店の中は静かでひんやりとした空気、外の暑さなんてすぐに忘れてしまいます。こんな本屋さん、うちの近所にもあったらいいなぁ。毎日入りびたりそうだ。
素敵なビジュアル古書があったけど高いから諦めて、こんなのを買いました。

・セルフ・ヒーリング・クックブック/クリスティーナ・ターナー
・新星座巡礼/野尻抱影
・詩のこころを読む/茨木のり子

あとブタ好き茶坊さんにブタのお守り(笑)。
送ります、茶坊さん。

後ろ髪を引かれながら帰路。またきます~
4時までに河原町に着いたら高瀬川脇の「弥次喜多」で白玉宇治金(かき氷)を食べる!と決心。しかし、しかーし!とほほほほほー道が混んでて(悲しすぎて略)。
くーっ、せっかく京都まで来ておやつなしかよ(涙)。
…ネロ子が待っているのだ。さらばかき氷!!!

今度はかき氷メインで行こうかなぁ…(本気)

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2006年5月30日 (火)

ご自宅探訪

28日の日曜日、久しぶりに髪を切りに行きました。
ばっさり切ってもらって、只今は殻付き胡桃のような髪型に変貌(笑)。でもあっという間に伸びるんだよね、いつまで保てるかなぁ。
<備忘録>次回お土産はclub Harieのバームクーヘンを用意すること(ぷぷ)。

今週の「新日曜美術館」は民藝運動の創始者、柳宗悦の特集でした。
柳宗悦の死後、手入らずだった旧柳邸(日本民藝館西館)が45年ぶりに修復されたのだそうです。今月その完成式典が執り行われ、期間限定ではありますが一般にも公開されました。テレビでその内部を拝見しましたが、家の設計・内装・家具調度にいたる隅々まで美意識の行き届いた美しいお宅で、彼の民藝に対する思想を表現する「作品」のような邸宅でした。
修復工事は昨年の秋から行われたそうで、テレビでは腕のいい職人たちが誇りをかけて仕事をされている様子も放映されていました。再現ということが目的なのでできるだけオリジナルに近い物を作らねばならず、砂壁一つ塗るのも希少な塗材を使っているため(根岸で取れる砂だそうですよ)古い壁を崩してその壁材を再利用して塗ったそうです。

修復完成に合わせて駒場の日本民藝館では特別展を開催中。

日本民藝館創設70周年記念特別展
柳宗悦の蒐集
2006年4月4日(火)-6月25日(日)

柳邸は来月も公開される予定があるとのこと、コレクションと自宅が一緒に見られるなんてファンにはこたえられない企画です。
近かったら見に行くのにね…ぐっすん(涙)。

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2006年3月22日 (水)

「別れのサンバ」ではありません

Kiyosi

3月26日まで、横浜美術館では銅版画家・長谷川潔の作品展を開催中です。

横浜、そしてパリ―
銅版画家 長谷川潔展 作品のひみつ


今回の展覧会にあわせて、何週間か前のNHK「新日曜美術館」では長谷川潔の特集を放映していました。今展に出品されている長谷川潔の作品を鑑賞しながら作家の生涯を紹介していくといった内容でした。

長谷川潔の作品で印象的なものはマニエール・ノワール(英語ではメゾチント)という手法で製作された銅版画です。銅版の表面全体に細かい線を引き、その上をへらで削ったり磨いたりすることによってさまざまな段階の明暗を作るのです。
ビロードのような漆黒の背景と緻密なモチーフが生み出す静謐な世界は、小さな宇宙となって作家の内面を雄弁に語りかけます。1枚の絵という閉じられた世界の中に収められた小鳥や魚や花たちは、作家の思想の体現として永遠の時間を生き続けるのでしょう。

上の作品は「狐と葡萄」(1963年)。ラ・フォンテーヌ寓話から題材をとったものです。ぶどうを食べることができない狐が「どうせすっぱいぶどうだ」と負け惜しみをいうお話ですね。今回の展覧会にはこの作品のモチーフのモデルとなった「毛糸で作った狐」の人形も展示されているそうです。

横浜美術館で長谷川潔の作品を見たら、ぜひ京都国立近代美術館も訪れてください。生前の長谷川潔自らがセレクトして収蔵された素晴らしいコレクションが揃っています。

横浜美術館のネットショップを見たけれど、展覧会図録はもう売り切れちゃったのかな?私は入手できましたがとてもよかったですよ。図録では京都近美が出している「長谷川潔作品集」と「KIYOSHI HASEGAWA」というミニブックもいいです。

今週放映分の「美の巨人たち」では長谷川潔の「時 静物画」を取り上げるそうです。作家自身の分身とされる小鳥と自然の草花と、そして時の象徴砂時計と永遠を具現化する環と。生物の命はすべて宇宙と時間の中に存在する、という長谷川潔の想いが封じ込められた絵です。あー土曜日は旅行中なんだよなぁ、録画しておこうっと。

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2005年9月15日 (木)

シュヴァンクマイエル展

9/10から11/6まで、神奈川県立美術館葉山にて
「造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル展」を開催。

シュヴァンクマイエル映画祭in HAYAMAも同時開催だそうです。
私はCプログラムが見たいな。

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2005年7月 1日 (金)

見えないものしか信じなかった男

Moreau

先日、ギュスターブ・モロー展を見にいきました。

まるで宝石をちりばめたようなきらびやかな色彩と詩情溢れる幻想世界を描いたモローは19世紀フランス象徴主義を代表する画家で、神話や聖書といった古典文学的なものに主題を取りつつ自らの内面を表現しようとした人です。現実的な神話の世界に近づけば近づくほど、その本質は彼自身の頭の中で純粋培養した官能や勇気、正義といった抽象物に近づいていった絵画作家だと呼ばれます。
モローの言葉に「あなたは神を信じているか。私は神しか信じていない。触れるものも見えるものも信じない。ただ感じるものだけを信じている。私の内なる感情だけが、永遠で確固たるものに思えるのだ。」というものがあるのですが、その作風を表現するのにこれほどぴったりの言葉はないように思われます。心の目で世界を見た男、ということでしょうか。

たとえば「オイディプスとスフィンクス」という絵。
旅人に解けない謎を与えて殺していく怪物スフィンクスと、のちにテーバイの王となるオイディプスの邂逅の場面を描いた作品ですが、この絵の中でのスフィンクスはまるで猫のように甘えたしぐさでオイディプスの胸にしがみついています。まるで恋人同志のようにも見えますが、この後父を殺して母を犯し、その罪の重さに耐えかねて目を潰して放浪することになるオイディプスの悲劇を知る我々から見ると、本当に勝利するものは誰なのか?という声をこのスフィンクスの微笑みに透かしてみることは出来ないでしょうか。これは運命の女の前に立ち尽くす無力な男の絵なのではないか、そうモローの絵は私に投げかけるのですよ。

この展覧会には完成作品に加えてそこにいたるまでの膨大なスケッチや試作・習作が並べて展示されています。その計160点、大変な数の展示数です。画家がどのようにこの緻密な作品を作り上げていったのか、その種明かしをしてもらっているようで大変興味深かったです。この後は東京のBunkamuraミュージアムへ行くらしいのでお近くの方はぜひどうぞ。  

ところでモローの展示室を出てさあ帰ろうと思ったら、
こんな展示をやってました。
DESIGN 21

展示物の中に、ぬいぐるみを縫い合わせてソファのシートにしている作品がありました。実は昔モスキーノが同じようなことをしてブルゾンを作ってたんですよ。自分でも作ってみたくてクマのぬいぐるみを買い込んだけど、さすがにくじけてマフラーしか作れませんでした(笑)。そんなことを思い出したりなんかして。

兵庫県立美術館へ出かけたのは初めてですが、安藤忠雄さん設計の建物はとても印象的でした。願わくはもう少し交通の便のいい場所にあると助かります。最寄り駅から出ているバスの本数がとても少ないんですね。気候の穏やかな季節には海風を感じながらの散策がてらに徒歩もいいのでしょうが、炎天下の中で15分歩くのはさすがにつらいよ。
同美術館では10月25日よりアムステルダム国立美術展も開催されます。フェルメールの「恋文」レンブラントの「自画像」などが展示されるそうです。これも見に行きたいなぁ。


詩と幻想の画家 ギュスターブ・モロー展
兵庫県立美術館
2005年6月7日(火)~7月31日(日)

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2005年5月12日 (木)

ミーリー工房の素晴らしい仕事

Miri

現在、岡山市立オリエント美術館では「華麗なるペルシャ絨毯の世界」という特別展を開催中です。私は6日にお邪魔してきました。

古代ペルシャ帝国以来、イランでは遊牧民族によって伝統的な製法で美しいペルシャ絨毯が作られ続けていましたが、近代工業化によって安易な織機の導入や化学染料の使用が進み、今では昔ながらの製法の伝承が難しくなっているのだそうです。
テヘランにあるミーリー工房は、アンティークのペルシャ絨毯を蒐集・分析し、その織り方から過去の高度な技法を復元して新たな作品の製作に生かしておられます。今回の展覧会では工房が所有する19世紀~20世紀初めに作られた絨毯と、彼らが修復・復元した作品を見ることが出来ます。

ペルシャ絨毯というと豪華絢爛な柄と色彩を連想しますが、天然染料で染められた羊毛がおりなす緻密な柄はどこか落ち着いたトーンを帯びていて、これだけたくさんの色を使っているというのに少しも煩さを感じさせません。各モチーフが完全に一つに混ざり合っているのですね。
人の手が羊の毛を紡ぎ、自然の草木で染め、結び目で柄を綴るという行為。そのすべてがこの1枚の絨毯に込められているのだと思うと、なんともいえない感動に包まれます。とてもいとおしいです。

私が伺った日は2Fのギャラリーでイランの遊牧民族の女性が製作の実演をしておられまして、間近でその手仕事をみせていただくことが出来ました。遊牧民が暮らすテントの中で簡易な織機(遊牧民の方が使われるのは持ち運びが簡単な織機だそうです)を使って一つ一つ結び目を作っておられました。この彼女は大変優秀な織手だそうですが、それでも1日6時間作業をして、幅30cmでたったの2cmしか織れないということです。

テントの中では靴を脱ぐことが出来ます。どうぞはだしで絨毯に触れてください、といわれました。羊毛を紡ぐ紡錘形の道具や毛足をそろえるための大きなハサミも触らせていただきました。染め上がった糸の匂いを嗅ぐと何か清清しい、いい匂いがします。茜や石榴の皮の匂いです。
ちょうど織りあがったところで写真を撮らせていただきました。

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柄の設計図

Miri03

普段はこんなものは見ないんだそうです。
よほど複雑な柄でない限り。

クロスステッチのパターンと同じですね。

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柄が語るもの

Miri02

彼女が織り上げた絨毯の模様。

一番上に鷲のような模様が見えますが、これはゾロアスター教の最高神であるアフラ・マズダです。その下に見えるライオンのような模様は勇者をあらわしているのだそうです。剣を掲げていますね。

善と光輪を司るアフラ・マズダの下で勇猛さを誇る勇者。その横にはイランの若い男女が語り合う場面が織り込まれていたんですが、すみません、見えません(笑)。

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